私が初めて経験した交通事故による示談体験で学んだこと

私が初めて経験した交通事故による示談体験で学んだこと

事故は一瞬にして起こり、その事故によって起こった2次被害

私は、2006年の4月、散歩の帰り道で事故に遭いました。T字の交差点で信号待ちをして、信号が青に変わったのを確認してから信号を渡り始めました。半分くらい渡り終わったところで、左から一台のワゴン車が速度を落としながら近づいてきました。速度が落ちていたので白線で止まるだろうと思い、私はそのまま信号を渡り続けました。しかし、車は止まらず、体の左側面に接触し私は転倒してしまいました。一瞬目の前が暗くなり、何がなにやらわからず頭が真っ白になりました。気づいたときには、頬にあたる硬いアスファルトの感触や他の人の靴が見え、「大丈夫ですか?」という人の声や「すみません。」と謝る運転手らしき人に囲まれていました。一瞬記憶が飛んだ気がしたものの「大丈夫ですか?」と言う声に「大丈夫です。」と答えられる状態でした。
すぐに救急車が到着し、近くの総合病院に搬送されました。問診を受け、レントゲンを撮りましたが、特に異常は見当たりませんでした。事故で搬送されたので診断書を書いてもらい、先生からは「痛みが出てきたらまた病院へ来てください。」と言われ診察を終えました。
診察を終えた私は、警察に事故の連絡をし事故の一部始終を話しました。警察からは「私たちも向かいますので、事故現場で待っていてください。」と言われ、事故現場へ向かいました。
事故現場には、警察官や事故を起こした運転手、(運転手側の)保険会社の担当者がおり、その場で事情聴取が行われました。ワゴン車を運転していた運転手は、「運転中に携帯電話が鳴ったのでそこに意識が向いてしまい、赤信号に気づくのが遅れ、ブレーキをかけたが間に合わなかった。」と証言していました。青信号だからと言って安心して渡ってはいけないのだと思い知らされた出来事でもありました。
その後、(運転手側の)保険会社の担当者が自宅に来て、保険の説明をしてくれましたが、事故に遭ったのは初めてだったため担当者の説明をあまりよく理解できませんでした。この時の説明の内容は、保険には強制保険と任意保険があり、事故の場合は強制保険で治療を行うことやそれでも完治しない場合は任意保険が適用になるという内容でした。また、強制保険の最高限度額は120万円であるという説明も受けました。
事故の次の日、目を覚ましたら起きるに起き上がれないほど体に激痛が走り、病院へ駆け込みました。事故の衝撃で「むち打ちになったのかもしれませんね」との事で、痛み止めと湿布を処方してもらいました。しばらく様子を見ていましたが、それでも痛みが治まらずセカンドオピニオンで別の整形外科を受診しました。その整形外科でも骨には異常はないことから、患部に高周波を当てる治療を毎日受けることになり、通院生活が始まりました。通院生活は、約3ヶ月続きました。事故当時、仕事はしていなかったので会社に迷惑をかけるような事態にはなりませんでしたが、階段の上り下りなどの生活面や洗濯、掃除、買い物といった家事の場面でかなり不便さを感じていました。なにせ体を動かせば、どこもかしこも痛みが走るのですから、まともに動けず情けなさと「どうして私がこんな目に遭うの」というやるせなさに塞ぎこむ一方でした。
事故で受けた体の痛みに加え、事故後に心が塞ぎこむという2次的被害を受けるつらさを、この時に初めて味わいました。出かける時も車の行き来が少ない道を選んだり、事故後すぐには事故で感じた恐怖感を拭うことができず、信号を渡ることすらままなりませんでした。信号の前で動けずにいたことも、信号を渡れるようになっても必要以上に挙動不審なくらい周囲を気にして走って渡るような事もありました。

とてもわかりづらい事故による示談交渉とその示談金額

事故が起こってから数日後、加害者の保険会社が送ってきた書類には、通院交通費明細書・支払指図書・同意書などの書類一式が同封されていました。詳しく読んでみると後遺症や慰謝料について書かれた書類があり、慰謝料は1日に付き4,200円、休業補償は1日に付き5,700円と記載してありました。私の場合、ケガの診断結果が軽度だったため、示談交渉は弁護士に依頼せず自分ですることにしました。保険会社に書類を提出すると保険会社から新たな書類が届きました。その内容は、慰謝料額についてでした。治療費の領収書や通院交通費の明細書などを基に計算された慰謝料の金額は、たったの45万円という金額でした。その金額に納得がいかず、肉体的外傷と精神的苦痛が45万円だなんてあまりにも悲しすぎるという思いと怒りに体が震えました。返信用の書面で納得がいかない旨を記入し、返信しました。
すると、数日後に加害者の担当者から「75万円ではどうか」という電話がかかってきました。最初の提示金額から30万円もの増額に不信感を抱き、すぐには返答できませんでした。加害者の担当者が提示した金額が妥当な金額なのかと疑問に思い、示談金について自分なりに調べたり周囲にも聞いたりして、情報を集めました。その結果、90万円~100万円をもらってもおかしくない状態であるという結論に至りました。
加害者の担当者に診断書の内容や通院内容、2次被害の状況を話し、金額の交渉をしました。診断書の内容は打撲全治1週間、通院にかかるだろう期間は3ヶ月、病院代は総額46万円程度であることを説明しました。担当者がその話を聞くなり、通院期間を2ヶ月にすることはできないのかと尋ねてきました。一括対応打ち切り交渉といわれるもので、医療照会の結果を踏まえた上で、保険会社が保証を打ち切ることができる手続きです。私は、この一括対応打ち切り交渉を示談金について調べていた時に知っていました。保険会社からのこの提案にも納得できずに、2次的被害状況で私生活に影響が出ていることや毎日病院に通っていることを主張して、保険会社の担当者になんとかわかってもらいました。金額については、95万円くらいでなければ納得できないと主張し、最終的には93万円という金額に落ち着きました。
一番初めに提示された金額が45万円、つぎに提示された金額が75万円、最後に提示された金額が93万円です。最初の金額と最終金額では、約50万円もの差となり驚きました。保険会社の言うがままに示談をしていたら納得いかないまま示談が成立していたんだと思うと、自分なりにしっかりと調べ、妥当だと思える金額をはじき出せて良かったと思いました。また、示談交渉をする時には自分の症状や通院状態、精神状態に加え、生活する上での不自由さをちゃんと伝えられたことが、担当者に理解してもらえた要因の一つのように思います。
保険会社から送られて来た示談書に必要事項を記入し、保険会社に返送しました。数日後、93万円の解決金が振り込まれ、示談が終了しました。
今回の事故で強く感じたことは、提示された条件を鵜呑みにするのではなく、疑問に思ったことは納得いくまで調べ、情報を集めることが大切だと言うことでした。また、より確かな知識に基づき自分が納得のいく条件を主張することの重要性を感じました。私は、幸い軽度の症状で済みましたが、打ち所が悪かったらもっと重症だったかもしれないですし、命すら落としていたかもしれません。そう考えると今でもゾッとします。自分がどんなに気をつけていても、いつどこで事故に遭うかわらないという事を忘れず、もし事故の被害者になってしまったら確かな知識を集めたり、場合によっては弁護士の力を借りるという選択肢を持つ必要があると思います。

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